「愛に国境はない」とは言いますが、国際結婚の手続きを進める中で、「偽装結婚では?」と疑いの目を向けられてしまうケースが後を絶ちません。
国際結婚の手続きをお手伝いする中で、残念ながら偽装結婚を疑われてしまうご夫婦に遭遇することがあります。
この記事では、どのような場合に偽装結婚が疑われやすいのか、そして、真実の愛を証明し、幸せな結婚生活をスタートさせるために何ができるのかを、分かりやすく解説します。
なぜ疑われるの?偽装結婚が後を絶たない背景
まず、なぜ入国管理局は偽装結婚に神経をとがらせているのでしょうか?それは、主に在留資格の不正取得が目的とされるケースがあるからです。
「日本で働きたい」「日本に住み続けたい」といった理由で、愛情のない結婚を装い、配偶者ビザを取得しようとする事例が残念ながら存在します。そのため、入国管理局は真実の結婚かどうかを慎重に審査するのです。
ここが見られている!偽装結婚を疑われやすいケースとは?
では、具体的にどのような場合に「偽装結婚ではないか?」と疑われやすいのでしょうか。いくつか代表的なケースを見ていきましょう。
- 出会いから結婚までの期間が極端に短い
- 「知り合って1ヶ月で結婚しました!」というのは、もちろん真実の愛であることもありますが、客観的に見ると「本当にお互いを理解する時間があったの?」と疑問視されやすいポイントです。
- コミュニケーションが不自然
- 夫婦なのに、お互いの言語をほとんど理解できない、または通訳を介さないと会話が成り立たない場合、「日常的なコミュニケーションはどうしているの?」と疑問が生じます。
- お互いの母国語を勉強している様子が見られない場合も、マイナスな印象を与えかねません。
- 年齢差が非常に大きい
- 例えば、20代と60代のご夫婦など、年齢差が大きくても正真正銘真っ当な結婚である方がほとんどかと思いますが、こと国際結婚においては年齢差があるカップルが偽装結婚で摘発されている実態があり、入国管理局としては疑わざるを得ないのです。
- 結婚に至る経緯が不自然
- SNSで知り合い、一度も会わずに結婚を決めた、など、出会いや交際の経緯に不自然な点があると、審査官は慎重になります。
- お互いの情報をほとんど知らない
- 「配偶者の家族構成を知らない」「配偶者の仕事内容を具体的に説明できない」など、夫婦として当然知っているはずの情報を知らない場合、真実の夫婦関係が疑われます。
- 過去に何度も結婚・離婚を繰り返している
- 特に、外国人との結婚・離婚歴が多い場合、「在留資格目的の結婚を繰り返しているのでは?」という疑念を持たれやすくなります。
- 生活実態が伴っていない
- 同居していない、または同居していても生活費の負担が一方に偏っているなど、夫婦としての実態が見られない場合も要注意です。
これらはあくまで「疑われやすいケース」であり、当てはまるからといって即座に偽装結婚と断定されるわけではありません。 大切なのは、これらの疑念を払拭できるだけの真実の交際・結婚であることの証明です。
もし疑われたらどうなる?
万が一、偽装結婚を疑われ、在留資格が不許可となった場合、外国人配偶者は日本で暮らすことができなくなってしまいます。場合によっては、強制退去や、今後長期間日本への入国が難しくなるなどの厳しい処分が下されることもあります。
真実の愛を証明するために!行政書士ができること
では、どうすれば偽装結婚の疑いを晴らし、晴れて夫婦としての生活をスタートできるのでしょうか?
私たち行政書士は、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、真実の結婚であることを客観的な証拠に基づいて証明するお手伝いをします。
具体的には、以下のような資料の収集や作成をサポートします。
- 交際経緯の詳細な説明書: いつ、どこで出会い、どのように愛を育んできたのかを、時系列で具体的に記述します。
- 写真やメッセージのやり取り: 二人の思い出の写真や、日々のコミュニケーションを示すメール、LINEの履歴なども有効な証拠となります。
- 家族や友人からの証明書: 周囲の人々が二人の交際をどのように見ていたか、証言してもらうことも有効です。
- 経済的な安定性の証明: 結婚生活を継続できるだけの安定した収入があることを示す書類も重要です。
これらの資料を整え、入国管理局に対して説得力のある申請を行うことが、許可を得るための鍵となります。
国際結婚をお考えの方へ
国際結婚は、文化や言葉の壁を乗り越え、愛を育む素晴らしいものです。しかし、その一方で、今回お話ししたような「偽装結婚」という疑念と隣り合わせであることも事実です。
「私たちの場合は大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、一人で悩まず、まずは専門家である行政書士にご相談ください。私たちは、お二人の真実の愛が認められ、幸せな結婚生活をスタートできるよう、全力でサポートいたします。
この記事が、国際結婚を考えている方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。